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高齢初産(高齢出産)について

高齢初産(高齢出産)について

高齢っていくつから?どんなリスクが伴うの?そんな不安や疑問を解消していきましょう。

  • そもそも女性は1ヶ月でどの程度妊娠する可能性があるの?

    避妊をしない女性が1ヵ月あたりに妊娠する可能性は、14%~31%だと言われます。これは1989年にイギリスのオックスフォード大学で、世界中のさまざまな地域を調査し報告されたものです。また、妊孕率の差は人種的な違いにあるとコメントされています。

    これは全ての女性にいえることではなく、妊娠適齢期の女性を対象としています。妊娠適齢期については、さまざまな説がありますが20~30歳前半までが一般的です

  • 妊娠が難しくなるのは何歳から?

    たとえ20歳代でも、卵巣の手術や体質により「卵子のもと」が他の人より早く減ってしまう場合には、妊娠が難しくなります。個人差はありますが一般的に30歳までは大きな妊娠できない理由がない限り、妊娠が難しいということはないと考えられます。医学的には30歳から年齢とともに妊娠率が低下していき、35歳からはその傾向が顕著になると考えられているからです。

    つまり、30歳ころから徐々に妊娠しにくくなり、45歳を過ぎると自然に妊娠することはかなり難しくなると言えるでしょう。

  • 高齢初産(高齢出産)とは何歳から言うの?

    日本産婦人科学会では、満35歳を超えての初産婦を“高齢初産”と定義し、一般的にはこの高齢初産のことを高齢出産といいます。

    もともと高齢出産とは、平成3年以前は30歳以上とされていましたが、1980年代から90年代にかけてすすんできた出産の高齢齢化により、2000年以降、すべての初産のうち30歳以上の初産が1割を超えるなど晩産化がすすんだことや、WHOをはじめとする諸外国でも同様の定義がなされていることから35歳に引き上げられました。

  • どうして年齢を重ねると、妊娠に伴うリスクが高くなるの?

    女性の原始卵胞(ここでは解りやすくするため、以後「卵子のもと」とします)は、母親のお腹にいる時に作られ、それから生後、新しく作られることはありません。個人差はありますが、生まれた時で「卵子のもと」は100~200万個ほどです。これが排卵を経て、全てなくなったときに「閉経」を迎えるのです。閉経まで、平均50年かかると言われています。

    なにもしていなくても、「卵子のもと」は1ヵ月に数百ずつ減少していき、37~38歳からは、その減少するスピードはさらに早くなります。ですから、年齢を重ねると「卵子のもと」の減少とともに、卵巣の卵子の数が少なくなるのです。

    また、加齢に伴い皮膚にシミやしわができたりするように、「卵子のもと」の細胞内にも色々とトラブルが発生します。

    トラブルはさまざまですが、一番問題となるのは「細胞分裂の際に起こる、染色体を2つの細胞へと分離させる紡錘糸の異常」だと考えられています。高齢者の卵子の紡錘糸を観察してみると、その構造がおかしくなっているものがあります。この紡錘糸がおかしくなると、細胞分裂する際に、分裂した2つの細胞へ正確に同じ数の染色体を分けることが出来なくなり、一方の細胞には染色体が1本多くいったり、また少なくなったりしてしまいます。「ダウン症児 が高齢妊婦に多いのは、このことが原因です。ダウン症の原因は21番の染色体の数が1本多いことです。これがもし、もっとも重要な1番の染色体の数に異常が起これば、その胚は着床し妊娠に至ることは困難です。もし仮に胚が着床しても、その胎児は決してヒトとして生まれてくることが出来ないため、「流産」してしまいます。

    女性が年齢を重ねるほど、このような異常が起こる割合も増加するため、妊娠しづらくなったり、流産や胎児の異常も増加したりするのです。その他にも、妊娠高血圧症候群などの妊娠に伴う病気にかかりやすくなったり難産になりやすかったりとリスクの増加が懸念されます。

  • 不妊治療にはどんな方法があるの?

    不妊治療には様々な方法があります。しかし、40歳未満の女性の場合、避妊をしないで1年間にわたって妊娠が成功せず、6回以上の人工授精でも妊娠が成功しない時には、体外受精などの高度生殖医療を真剣に考えてもよいとの意見もあります。

    また、40~42歳の女性においては、不妊治療の第1選択肢として、はじめから体外受精・顕微受精などの高度生殖医療を実施してもよいのではとの考えもあります。

    そして、厳しい現実ですが、43歳以上の女性には体外受精・顕微受精などの高度生殖医療を実施しても妊娠の期待ができないため、高度生殖医療は勧めるべきではないと言われています。このことを裏付けるデータとして、40歳以上1,645の女性を対象にした報告では、高度生殖医療1回あたりの妊娠する確率は40~42歳で7.4%(132/1,766)、43歳以上では1.1%(7/620)です。また、45歳以上1,101名を対象にした報告では、高度生殖医療1回あたりの妊娠する確率は0.54%(6/1,011)です。

  • 体外受精・顕微受精を行えばいいの?

    それも難しい質問ですが、まず体外受精や顕微受精は必ずしも成功するわけではありません。自然妊娠や一般不妊治療では、妊娠に至るまでに6つのステップを踏みます。

    1. まず、排卵した卵子が卵管に入ること
    2. 膣に射精された精子が卵管まで到達すること
    3. 卵管まで到達した精子と卵子が出会うこと
    4. 出会った精子と卵子が受精すること
    5. 受精した卵子(以下、「胚」とします)が細胞分裂を起こしながら子宮に移動してくること
    6. 子宮に到達した胚が子宮内膜に根付くこと(着床)

    これらが全て上手くいってはじめて妊娠することができるのです。

    体外受精や顕微受精はこれらの1~5までのステップを医療従事者が行う治療を指します。つまり、1~5のどの部分に問題があったとしても、それを克服することができます。しかし、卵子や精子自体または受精した胚に染色体や遺伝子レベルで問題があった場合、それを治すことはできません。

    受精した胚の染色異常は、皆さんが考えているよりも頻度が高いことが最近の研究で解ってきました。妊孕性が確認されている比較的若い女性の提供卵子を用いて、その受精した胚の着床前診断(胚に異常があるかどうかを胚移植前に調べる方法)を実施すると50%以上の胚において染色体異常が認められました。また、北米においては35~37歳の体外受精治療を受けた女性の胚の70%が染色体異常であり、40歳においては染色体異常の割合が82%に達すると報告されています。

    これを裏付ける証拠として、過去の大規模なデータからも、妊孕率は頭打ちとなっており、体外受精や顕微受精の1回の妊孕率は30%が限界のようです。(下記図参照)

    つまり、現代の医療技術では卵子・精子・受精した胚の染色体や遺伝子レベルの異常を治すことができないため、体外受精や顕微受精を用いたとしても妊娠できる保証はなく、単純に計算しても3回以上の体外受精や顕微受精を実施する必要性があります。

  • おわりに

    不妊専門施設である当院において、最新のデータである2013年には490名の患者さんが妊娠し、無事に産科専門施設へと卒業していきました。そのうち、53.5%(262 )はタイミングや人工授精などで妊娠されています。体外受精や顕微受精を必要とされたのは46.5%ですが、この割合は近年、受診される患者さんの年齢層の上昇に伴い上昇傾向にあります。今から5年前の2008年のデータでは、372名の患者さんが妊娠、そのうちの72.3%(269 )はタイミングや人口受精で妊娠、体外受精や顕微受精を必要とされたのは27.7%でした。5年前までは7割以上の不妊症患者は体外受精や顕微受精を持ち出さなくても十分に妊娠可能であったのです。

    このことから、体外受精や顕微受精を安易に考えるのではなく、早期の受診が大切であると考えられます。

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